若い人でも心配!?重い病気に繋がる男性の頻尿と、予防方法!
さっきトイレに行ったばかりなのに、すぐにトイレに行きたくなる...
夜寝ていてもトイレで何度も目が覚めてしまう...
トイレにいく回数や間隔などには個人差があるのでしょうが、トイレに行ってもすぐに尿意を催してしまうような、トイレの回数が増えてしまう症状の事を「頻尿(ひんにょう)」といいます。
そんな頻尿に悩みを抱えている人は少なくありません。
年配者だけではなく、若い世代でも頻尿に悩みを持っている人も多くいます。
今回はそんな頻尿についてや、対策方法について詳しく紹介していきたいと思います。
Contents
頻尿とは?トイレの回数はどれくらいからが頻尿?
まず最初に、頻尿について明確な基準が決まっているわけではありません。
だいたい膀胱(ぼうこう)の容量は一般的に200cc~300cc程度です。
1日にして、平均1,000cc~2,000ccの尿意があるのですが、膀胱に約150cc尿が溜まると軽い尿意を感じ、250cc溜まると強い尿意を感じるようになります。
基本的には1日に昼5回、夜0~1回が平均的な成人の排尿回数になります。
頻尿と考えられる目安として、昼8回、夜2~3回など合計回数が10回を超えるあたりから頻尿の目安とされています。
また、トイレの回数が10回を超えていなくても夜中に何度もトイレで起きる事があるなど、本人が頻尿の症状に悩まされているのであれば頻尿と診断される事もあります。
頻尿の主な原因って何?
頻尿を引き起こす要因は一つではありません。
頻尿を引き起こす原因について一つずつ詳しく紹介していきたいと思います。
過活動膀胱(かかつどうぼうこう)
過活動膀胱とは排尿すべき量の尿が膀胱に溜まっていないのにも関わらず、膀胱が勝手に収縮してしまい、我慢できないほどの急な尿意をもよおしてしまう症状の事を言います。
膀胱の尿の溜まり具合に関係なく、急に我慢できないくらいな尿意をもよおす「尿意切迫感」、急にトイレに行きたくなって漏らしてしまう「切迫性尿失禁」
トイレが近くなる「頻尿」また、夜に何度も尿意で目が覚めてしまう「夜間頻尿」などの症状を引き起こす原因になるのが、この過活動膀胱です。
40代以上の8人に1人が、過活動膀胱の症状を持ているといわれ、過活動膀胱の患者は国内でも800万人以上と言われています。
女性よりも男性に多い傾向があり、膀胱に溜まっている尿とは関係なく筋肉の収縮が起こるため、予測のつかない尿意を感じてしまいます。
その原因は自律神経の障害や、脳への知覚伝達の以上などが考えられます。
前立腺肥大
男性の生殖器の一つでもある「前立腺」
この前立腺は膀胱の下を囲むような形で存在している事はご存知でしょうか?
この前立腺が大きく肥大してしまう症状が前立腺肥大になります。
肥大してしまった前立腺が尿道を圧迫してしまい、「尿の量が少ない」「尿が何度も途切れる」「排尿後、残尿感が残る」などのトラブルの原因になってしまいます。
これらの状態が長くつついてしまうと、膀胱に負担をかけてしまうため、高い割合で過活動膀胱を発症してしまい、頻尿へ繋がってしまいます。
尿路感染(にょうろかんせん)
前立腺炎や膀胱炎などに感染してしまい、そこから尿路に炎症が起きてしまう、つまりは「尿路感染」を起こしてしまうと膀胱にある神経が刺激されてしまうので、膀胱に尿が溜まっていなくても頻繁に尿意をもよおしてしまう場合もあります。
尿路感染の多くは尿道から細菌が侵入する細菌感染ですが、間質性膀胱炎のような非細菌性の場合もあります。
心因性
尿道や膀胱にも炎症などの疾患もなく、尿の量も正常であるにも関わらずトイレに行く回数、排尿の回数が増えてしまう場合は心因性の頻尿の可能性が考えられます。
トイレの事を気にしすぎて、余計にトイレに行ってしまうようなケースが心因性になります。
心因性の頻尿は精神的な問題が強いので、睡眠中などのリラックスした状態では症状が出にくく、夜間の頻尿を伴わない事が心因性頻尿の特徴になります。
子供も頻尿になる?子供の頻尿の原因は?
子供にも頻尿がある事はご存知ですか?
トイレに行ってもすぐにまたトイレに行きたがったり、漏らしてしまったり、何度もトイレに行くことで病院を訪れる子供も少なくないそうです。
病院で検査を受けて、尿に異常も見られず、痛みもなく、何かに集中している時はトイレの事を忘れている場合などは心因性の頻尿の可能性が高いといえると思います。
強いストレスや、心理的緊張によって尿意をもよおす場合もあります。
大事な試験や発表会の前や、学校が新しく始まるような新しい生活に移る場合、また家庭環境の変化、友達の前でお漏らしをしてしまったなどの失敗経験などから頻尿を引き起こしてしまうケースもあります。
心理的緊張が続いていると頻尿が長期化してしまうケースもありますので、まずは何がストレスになっているかを注意深く見定める事が大切です。
お漏らししてしまった事や、何度もトイレに行くことを起こるのではなく、何か不安を抱えている事が無いか、まずはしっかり子供の話を聞いてあげる事が一番の治療になると思います。
頻尿で考えられる病気とは?
頻尿は加齢や、ストレスなどの心理的な問題から起こっている場合もあります。
しかし、その頻尿が実は重い病気に繋がるサインになっている場合も考えられます。
病気からくる頻尿の症状について紹介していきたいと思いますので、気になることがある人はしっかりチェックして下さい。
膀胱炎
膀胱炎という病気は、圧倒的に男性より女性のほうが多い病気です。
それは男性より女性のほうが尿道が短いため、菌が膀胱に入りやすいからです。
本来膀胱は細菌への抵抗力を持っているのですが、体調を崩した時や、強いストレスを感じた場合などに抵抗力が落ちると膀胱内に細菌が繁殖してしまい、膀胱炎になってしまう場合があります。
この膀胱炎の初期症状は頻尿になります。
トイレの回数が急に増加したり、排尿後に残尿感があったり、尿が白く濁っていたり、酷い場合には血が混じっていたりします。
症状の程度にもよるのですが、軽い場合には自然治療でも回復しますが、症状が長引く場合には泌尿器科を受診するようにしてください。
糖尿病
糖尿病は排尿に大きく関係しています。
糖尿病になってしまうと、喉が渇きやすくなってしまうため水分をたくさんとります。
その結果水分を多くとれば多尿になります。
尿の量が増えると当然、トイレの回数も増加しますので頻尿になってしまいます。
また糖尿病が進むと末梢神経障害も起きてしまうので膀胱の神経も侵されてしまいます。
膀胱の神経が侵されてしまうと、膀胱が上手く伸縮できなくなってしまい排尿を上手に行えなくなるため、残尿が増えすぐにトイレに行きたくなってしまうようです。
前立腺肥大症
前立腺とは膀胱の出口付近で尿道をぐるりと取り巻いている丸い臓器の事を言います。
この前立腺では精液の一部になる前立腺液を分泌しています。
男性の身体は年齢を重ねて50代頃から、この前立腺が肥大する人が多くなってくるとされています。
前立腺肥大症になると、尿の出が悪くなってしまったり、頻尿になってしまったり、特に夜間の頻尿といった症状が現れる事が多いです。
更に前立腺肥大症は前立腺がんに繋がる事もあるため、気になる人は定期的に血液検査名などを受ける事をお勧めします。
腎臓の疾患
腎臓の疾患から頻尿を引き起こしてしまうケースも考えられます。
健康な腎臓では、尿から水分を再吸収して尿の量や濃度を調整してくれる役割がありますが、腎不全や高血圧が原因で腎臓の機能が低下してしまい、頻尿・疲労・吐き気・かゆみ・筋肉の痙攣・呼吸困難・皮膚の黄色化などの症状が見られることもあります。
性病
膀胱炎を引き起こしてしまう細菌の中には、性病の原因となるクラミジアなどもあります。
クラミジアによって引き起こされる膀胱炎は「クラミジア膀胱炎」といわれ、不特定多数と性交渉を持つような20代などにも多く見られる症状です。
クラミジアは男性においても、女性においても感染しても自覚症状はわかりにくく、排尿量の増加や少量のおりものなどの軽い症状しかで無い場合がほとんどです。
しかし、そのまま放置していると男性は尿道炎や副睾丸炎、女性は卵管炎や不妊症などの原因になってしまう場合もあります。
頻尿の対策方法
頻尿の対策方法ですが、これは症状の度合いにもよって変わってきます。
症状が酷く、生活のリズムを頻尿によって崩されているような場合には、すぐに泌尿器科など医療機関に相談するようにしてください。
しかし比較的症状が軽い場合は自分でケアする事で症状を改善できる場合もあります。
頻尿を自分で対策する方法を紹介しますのでしっかりチェックして下さい。
骨盤底筋体操のやり方
「骨盤底筋」とは、骨盤の中で内臓を支えている筋肉の総称を言います。
この骨盤底筋が衰えてくると上手く尿道を締める事が出来なくなってしまうので、排尿が上手く行えなくなってしまいます。
なのでこの骨盤底筋を鍛えることで頻尿を改善する事も出来ます。
- まずはまっすぐ立ち、片方の手をお腹、もう片方をお尻にあてます。
- 身体の力は抜き、肛門・膣を締めたり緩めたりする動作を2~3回繰り返します。
まずは準備運動、それほど力は入れなくて構いません。
軽めの体操という心持ちで実行しましょう。 - 今度はゆっくりと、力を入れて肛門・膣を締めたり緩めたりしてください。これを2~3回繰り返します。
- 次に骨盤周辺の筋肉を引き込むようなイメージで、下腹部をぐっと持ち上げるよう引き締めます。
その後はゆっくりと緩め、また締めます。これを2~3回繰り返してください。
テレビをみている時などの合間時間を見つけて、この運動を毎日の中に取り入れてください。
骨盤底筋を鍛える習慣を身に着けることが大切だと思います。
膀胱訓練のやり方
頻尿を改善する方法に膀胱訓練という方法もあります。
こちらも継続的に行う事で効果を実感できると思いますので、気がついた時に行うようにしてください。
この膀胱訓練のやり方は単純です。
尿意を感じたときに計画的に排尿を我慢して、少しずつ膀胱に溜める事が出来る尿の量を増やしていく方法です。
- 軽い尿意を感じた際、無理のない範囲で尿道と肛門に力を入れて排尿を我慢します。
- 次になるべく尿の事は忘れて、深呼吸をして尿意を紛らわせましょう。
- 最初は無理せずに5分ぐらいから、次は10分などと少しずつ尿を我慢する時間を長くしていきます。
この治療法は心因性の頻尿に効果的な方法です。
病的に頻尿を引き起こしている場合には、かえって悪影響を与えてしまう場合もありますので、明らかに病的な頻尿が疑われる場合には医療機関を受診するようにしてください。